他の3人も同じようにシャツを脱いで、自分たちは感染していないことを示している。


「感染者を集めてなにするつもりだ?」


聞いたのは純一だった。
怪訝そうに眉を寄せている。


「幸いにもここは3階だ。地面はコンクリートだし、窓から落ちれば死ぬことができる。感染者たちには悪いけれど、今ここで飛び降りてもらう」


なんでもないことのように言ってのける大谷くんに教室内が静まり返る。
教室の温度が1度下がったように感じられた。


「なに言ってんだよ。むちゃくちゃだぞ」


純一が反論するけれど、大谷くんはニヤついた笑みを浮かべて首をかしげる。


「他にどんな方法があるんだよ? 俺は感染者が他の生徒を食ってるところを見たんだ! 黙って食料になるつもりか!?」


唾を飛ばして怒鳴る大谷くんに、後方に座り込んでいた女子生徒2人が泣き出してしまった。


「なんでもします。だから殺さないで……」


震える声でそう懇願する2人に大谷くんが近づいていく。


「そう言えばお前ら感染者だっけな?」


そう言われて2人はシャツの袖を元に戻す。