「大丈夫?」


聞くと1人が弱々しく左右に首をふり、ブラウスの袖をまくりあげて見せた。
そこには赤い斑点が出現している。
もう1人も同じで、すでに感染してから時間が経過しているのがわかった。


「他にも沢山いるの?」

「この教室だけでも、半分の生徒たちが感染してるみたい」


その言葉に私は目を見開いて絶句した。
いつの間にそんなに増えたんだろう。
自分のことばかり考えていて、全く気がついていなかった。


「薫。とにかく座って」


圭太に落ち着くように促されて私は近くに椅子に座った。
自分の席もあるけれど、この状況ではもうどれも同じようなものだ。