圭太もいずれはそこで仕事をするつもりにしているから、ウイルスについては少しの知識を持っていた。


「今わかっているのは、おそらく空気感染すること。感染後は体に赤い斑点ができるけれど、それは衣類の下がメインだから見ただけじゃわからないこと。水しか飲められなくなること。それに異様な食欲が出てくること。あとは……」


指折り数えながら現状を把握していく圭太が言葉を止めた。
お互いに視線をぶつけ合う。


「人肉なら、アレルギー症状を起こすことなく食べられるということ」


圭太の声が私達以外に誰もいない空き教室に響いたのだった。