☆☆☆

3年生の教室は3階にあり、保健室は1階にある。
階段をゆっくり下っていく最中もユカリは時々足を止めて休憩しないといけない状態だった。
けれど、支えている手からはユカリの平常な体温が伝わってきている。

熱はなさそうなのにな……。
ユカリは歩くのもつらそうで、何度も深呼吸をした。


「保健室よりも病院の方がいいかもしれないね」

「うん……」


いつもはよくしゃべるのに、口数も少ない。
どうにか1階まで降りてきて保健室が近づいてきたとき、ユカリのシャツの袖がめくりあがっていることに気がついた。
赤い斑点のようなものが腕に出てきているのに気がついて眉を寄せる。

もしかしてアレルギー?
急に体調が悪くなった事を考えると、なにかがアレルギー反応を起こしてしまったのかもしれない。
早く先生に診てもらわないと。