「私も誰かと一緒に大学目指したりしたいのにさぁ」

「ユカリって受験組みだっけ?」

「いや、違うけど」

「違うんじゃん」


そう言って笑いあったとき、不意にユカリの顔から笑みが消えた。


「どうした?」


すぐに圭太が気がついて質問する。


「うん。なんか、昨日くらいから時々体の調子が悪くなるんだよねぇ。急に、ダルくなるっていうか」

「風邪でも引いた? それとも5月病?」


ゴールデンフィークが終わって2日目なので、まだ心と体が学校についていっていないのかもしれない。
私も授業中にぼーっとしてしまうことがしょっちゅうだ。


「そうなのかな?」


首をかしげるユカリの顔色がどんどん青ざめていく。


「ちょっと、本当に大丈夫?」


ユカリの肩に触れようとしたとき、ユカリがすとんっと床に座り込んでしまった。
その額には褪せが滲み出してきている。


「保健室まで行ける?」


すぐにしゃがみこんでユカリと同じ目線になって尋ねる。