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ベッドに横になっていて目を閉じているといつの間にか眠ってしまったようだ。




「おい、起きろ!」
そんな声で目を覚ました私は一瞬自分がどこにいるのかわからなかった。
周囲を見回してみて、ようやく施設へやってきたことを思い出す。
点滴パッグの中身はまだ半分くらいが残っていた。


「直、どうしたの?」


さっきの緊迫した声は直のものだったようだ。
直はベッドの上に上半身を起こして部屋の外の様子を伺っているみたいだ。


「さっきから外が騒がしいんだ。なにかあったのかもしれない」


そう言われて耳を済ませてみると、廊下から人の悲鳴が聞こえてくるのがわかった。


「どうしたんだろう」


上半身を起こし、靴を履く。
とにかく廊下の様子を確認してみるために、私と直は点滴台を引きながらドアに近づいた。


「感染してる!」

「嘘でしょ、どうして!?」