圭太が誰かを殺すのであれば、バッドを使うはずだ。


「見たことがない生徒だけど3年生らしい」


彼女の胸元にあるネームを確認して圭太は言った。


「3階からここまでわざわざ?」

「他に方法はなかった」


ここまで運んでくるのにもリスクがあったはずなのに、圭太はそんなこと少しも顔には出さずにいい切った。
胸に熱いものがこみ上げてくると同時に、こんなことをさせてしまった申し訳無さがこみ上げてくる。


「ごめんね圭太。こんなこと、私が自分でやらなきゃいけないことだったのに」

「気にすることない。さぁ、この人を校長室まで運ぼう」


圭太に言われて私は死んだ女子生徒の足を持ち上げたのだった。