優ちゃんのなかではもう思い出になってて

そんななか自分の気持ちを言うべきか

俺が好きと言えば変わるのか

そんなことを考えていれば



『私はもう満足したので、
早く彼女さんのところに行ってください!』



…彼女…?

俺って彼女いたっけ…?

今までの女は全部切ったし

あとはクラスメイトくらいしか

連絡先も知らない



『先輩が優しいのはもう知ってますけど
あんまり勘違いされる事はしちゃ駄目ですよ?』



なにか、話がかみ合わない



「ちょ、ごめん、ストップ」



息を吐きながら考える



「彼女って?」

『え…あの、昨日腕組んで歩ってた…』



………なるほど理解した

昨日のやつか、あれを見たのか

説明をすればポカンとした顔をする



『付き合って、ない…?』

「そういうこと。
んでそうなるとつまりは俺フリーってわけ」

『そうですね…?』



危ない、あのまま解散していれば

せっかくの両想いがパーになるところだった

未だに理解できていないのか

複雑な顔をしている優ちゃん

優しく頬を両手で包み込む



「ハハッ いま頭ん中パニックだろ」

『はい、意味わかんないです』



さっきまでへこんで

今まで散々言えるかな、なんて緊張していたのに

案外気持ちが溢れると言えるものだ



「俺も優が好きだよ」



揶揄ってないと誤解される前に言えば

ポロポロと涙を零す

え、え!?あれ!?なんか、まずった…!?



「え、ちょ、なんで泣くんだよ!?」

『ゔ、ゔれじくて…』



嬉しくて泣いてんのかよ!



「あーあーそんな泣くことじゃねぇだろ?」

『泣くほどですよ…』



泣いてるのは初めて見た

でも泣いた顔も可愛い、なんて考える



「優」

『は、い』

「俺と付き合って」

『よ、よろしくお願いします…!』



俺の事、好きになってくれてありがとう