一緒に歩きながらポツリポツリと話す

告白ってどのタイミングなんだ…?

したことねぇからわかんねー…と

とりあえず当たり障りのない話をする

思い出したように優ちゃんが

鞄から何か出して使ってください!と渡される



「まじ?開けてい?」



まさか貰えるとは思って無くて

テンションが上がった

包みを開けると出てきたのはキーケース

え、欲しいと思ってたんだよ



「キーケース?え、嬉しい!
ちょうど買おうと思ってたんだよ」

『ほんとですか!?良かった…』

「ちょー大事にする!」



一生大事にする!!!

やばい、まじか、どうしよう嬉しいと

一人心の中で騒いでいると

突然ゆうちゃんに言われた



『あの、先輩、それでお話したいことがあります』



なに?という言葉よりもさきに



『先輩が、好きです…』



告白、されてしまった



「え…」



この場に琉生がいたら

ヘタレ。と石を投げられていただろう

自分の情けなさに悲しくなったが

それよりも両想いだったことに歓喜した

俺も好きだよ、と言う前に遮られてしまう



『伝えたかっただけなんです!』

「っ」



そ、か…言いたかっただけなのか

こういうことは多々ある

今までも気持ちを伝えたかっただけ、と

たくさんの子達に言われた

でもまさか本命の子に言われてしまうと思わなかった



『ここでキッパリ諦めるので!』

「諦めんの?」



優ちゃんのなかではもう終わってるのか

諦めんなよ、とか

なんで、とか

いつまでも告白できなかった俺に

言う権利はあるのだろうか



『はい…!今までたくさん構ってくれて
ありがとうございました!

今日も…お時間割いていただいて…』

「別に、誘ったのは俺だし…」

『先輩と過ごす日々も今日も本当に楽しくて…!

良い思い出になりました!』



思い出、にできるかな、俺…