色々思ってることを全部話して

私が悩むポイントはほぼ消えた

そう、ほぼ、なのだ



『卒業、寂しいです』

「そればっかりは仕方ねぇよな」



大学は県外じゃないにしろ

一緒にいれる時間はきっと今と変わらない

でも関係性はさっき変わった

寂しくなることが増えそう



『…先輩ってなんでそんなにイケメンなんですか…?』

「産まれつき」

『いますっごくそれが腹立ちます』

「しょうがねーじゃん!?」



繋いでいた手に力が入る



『大学もきっとモテモテなんでしょうね』

「それはほら!この顔だからね!」



ウィンクしている先輩を殴ってもいいだろうか

とてつもなくイライラする

こっちは年下だし寂しいしって感情なのに



『まぁでも先の事を考えても仕方ないですよね』

「そうそう!先の事はこれから考えよ」

『…なにか引っかかることがあったら
すぐ相談してもいいですか?
また勘違いで変な方向に行っちゃいそうなんで』

「ん、いいよ。いつでも話して」

『翔先輩』

「あ、待って。それやめよう?
俺達…付き合ったんだし」



モゴモゴと恥ずかしそうに話す先輩

ちょっとかわいい



「翔って呼んでよ」

『む、無理です!流石にそんな急に!』

「えー!呼んでほしいのに!」

『ウッ…しょ、翔く、ん…』

「…モジモジして言うなよー
可愛くて俺いま爆発しそうなんだけど」



手で顔を覆っている

あ、耳が赤い



『精一杯です!!!!!』

「わかった、少しずつ慣れてこーな」

『…まずは翔せん…翔、くんと
1分見つめあえるとこから頑張ります…』

「そっからかよ!?」



目が合い2人で笑う

今までと何ら変わりない会話のテンポ

でも、今までと違うのは

お互いを思う気持ちと先輩との距離


卒業まで残り3ヶ月

少ない時間だけど…

たくさんの思い出を増やしていきたい