おしゃれな隠れカフェみたいなとこへ来た
『かわいい』
「お!お前こういうとこ好き?」
『結構好きです』
「じゃここにして正解だったな」
あまり人混みは好きじゃないし
こういうところは好き
「んー」
『決まりました?』
「これとこれで悩んでるんだよ」
どっちも美味そう…と悩んでいる
『じゃあ半分こにしましょ?』
「いいのか!?」
『私も両方気になってたんでいいですよ』
すみませーん!と店員さんを呼び注文を済ませる
「…」
『…なんか不服そうな顔してますね?
あ、やっぱ半分こ嫌でした!?
口付ける前に分けるので安心してください!』
「ちげぇわ!そうじゃなくて」
じゃあなんなんだ。と先輩の言葉を待つ
「普通は女が悩んでて男が言うセリフだったなーって」
……………
え!?まさかのそんなこと!?
…確かに?そういうもんなのかな?
「優しいよな、おまえ」
『はい、優しいんです』
「そこは謙遜するとこなんだよ!」
『いたたたっ!てがながいですね!』
「っと、悪い化粧してんのに触っちまった」
『あぁ、大丈夫ですよ!あとで直すので』
そういえばいつも頬を抓る時は学校だったし
化粧してる日もあるけど薄くだったから忘れていた
「なんか、今日可愛いな」
『へっ、あ、ありがとう、ございます』
「ハイ照れたー!かわいいね~」
『なんかうざいです。先輩はいつも通り
お顔がお強いですね。服も似合ってて素敵です』
「まぁ?俺ってなんでも似合っちゃうんだよな」
『スゴイスゴーイ』
「もっと心込めて言えや」
『フフッ…』
「フハッ…」
いつも通りのやり取りに2人で笑みが零れる
他愛もない会話をしていれば
料理が運ばれてくる
言ってた通り半分こして食べれば
両方とも美味しくて
「半分こで正解だったな」
『はい!めっちゃ美味しいです!』
デザートも美味しくて
ここに連れてきてくれた先輩に感謝しなくちゃ
「よし、じゃあ次行くか!」
『そうですね!』
お会計…とお金を払おうとすれば
「女の子は奢られてなさい」
『…かっっっこよ』
かっこよすぎて
思わず凝視すればブイッとピースされた
え、かわいい、かわいい
外に出れば寒くて
せっかく手暖まったのにと思っていれば
手を差し出された
なんで?どうして?と色んな感情が出てきたが
今は楽しむと決めたので恥ずかしいけど
そっとその手を遠慮がちに添えれば
ギュッと強く握ってくれた
先輩…
先輩はいま何を考えているの?
私は今日で更に好きになっちゃってるよ