私的事件が起きてから

早1か月が過ぎようとしていた

あれから少しの、いやなかなかの悩みがある

それは…



『ねぇ、このまま聞いて』

「なに、いま秋月先輩見るので忙しい」



友達と秋月先輩だ!と教室のベランダから

グラウンドを見ている私たち

いや、その他大勢だけど

周りを見渡せば色んな人が休み時間だからか

いろんな階から悲鳴が聞こえる



『自惚れとか勘違いなのは重々承知の上、
お聞きください』

「述べよ」

『秋月先輩、こっち見てない?』

「自惚れるなビンタするぞ、顔出しな」



何の躊躇いもなく胸倉を掴んでくる友達に

あれ、友達の選択ミスったか?と疑問を感じたが

いまはビンタしようとしている手を抑えなければ



『待って待って待って!?いや私もそう思うよ!?
けど最近多くないこういうこと!!』

「いや多いけど…
こうもギャラリーが多いとわかんない」

『…よし、人がいない時を狙って確認しよう』

「そんな時ないでしょ」

『いやきっとあるよ。
イケメンは逃げるのに屋上使うって
相場が決まってんだよ』

「…」

『そのわかりやすくドン引きの目線を今すぐやめろ』



何とか手を放してもらい

チラッと先輩を見れば

少年のような可愛い顔で笑っていて

思わず心臓がきゅっとなった



『え!?なんで笑ってるの!?
素敵な笑顔を引き出したのは誰!?
褒めてつかわす!!』

「どこ目線なんだよ」

『クゥーッ!!
どこの方かわかりませんがありがとう!!
一週間は生きられそう!』



あの人の存在に感謝しなければいけないな

こんなにもその笑顔で心が満たされるなんて