もうすぐ冬休み、そしてクリスマス!

私はすごく浮かれていた

それはもう勘違いをしてしまうくらいには



帰ろうと昇降口で靴を履き替えようとすれば



「あの!」



声が聞こえた、どっかで聞いたことあるなー

誰だっけなーと気になり

そろっと覗こうとして足が止まる



「なにー?」



良く知った声も聞こえた

翔先輩だ


駄目だとわかってはいるものの

聞き耳をたててしまう



「クリスマス!24日って空いてる、かな?」

「あー悪い。先約あんだわ」



翔先輩の言葉に少し嬉しくなる

私との予定、だよね…?



「話したいことがあるの!ダメかな…?」

「今じゃダメなの?」

「ダ、ダメ!」

「…ハァ…わかった」



え…

あれ、ダブルブッキングでは…

流石に時間ずらしたりするよね?



胸がキュッと締め付けられたように痛い

そうだよ先輩って人気なんだよ

どれだけの女の子が告白したかわかんない



私は先輩に可愛がってもらって

それに胡坐をかいていた

勇気も出せずにいる



だからきっと罰が当たったんだ

通知音が鳴りスマホを見れば



"ごめん、24日急用入った
25日は流石に予定入ってるー?"



25日でもいいじゃんと思う自分と

あぁ、さっきの子が優先されたのかと思う自分



その日、先輩に返事は返さなかった

こんなグチャグチャな感情は初めてだ