授業の合間だろうが昼休みだろうが

俺の事なんてお構いなしに

女子どもが群がってくる

今日は少しイライラしてて

笑ってやる余裕もなく

逃げるように別校舎に来ていた

しばらくぼーっとしながら

スマホをいじっていれば

メッセージが来る

"そろそろ戻ってきな"

琉生からだった

こいつは昔からの親友

俺ほどじゃないがモテる

そして素の俺を知ってるから

気が楽なのだ

"わかった"

返事を返して

立ち上がり教室に戻ろうとすれば

どっかで見たことあるやつが

前から歩いてくる

誰だったかなと欠伸をしながら考える

まぁ誰でもいいか

すげーこっち見てくるし

俺のこと好きなんだろうな

ダリ―…

頼むから話しかけんなよと思っていれば

何も話しかけられずすれ違う

俺は思わず振り返る

嘘だろ!?

ここは話しかけてくんじゃねーの!?

この顔だよ!?

されたことのない行動に驚き

咄嗟に腕を掴んで引き留めてしまった

そして女と目が合う

あ、思ったよりかわいい

ってそうじゃなくて

止める気なんてなかったので

咄嗟に



「お前、見すぎ」



もっと他に言える事あったんじゃね?

と思ったが

口に出てしまったので仕方ない



『すみません、見るだけならいいかと…

気を付けます。失礼します』



まぁ、確かに…?

変に声をかけられるよりは

見るだけだったらいいか、と納得した

それにしてもどっかで見た顔なんだよなー

思い出せそうなところまで来ていたのに



「あ、おい!」



足早に去ってしまった

まぁいいか、またどっかで会えんだろ

数分前までのイライラはどこへやら

教室に戻る途中で思い出す



「あ!ガン見だけして去ったやつ!
あーそっか、あんときの…」



ちょっと面白いのを見つけてしまった