帰るか。と立ち上がれば

先に行ってくださいと言われる

さっき距離感問題は解決しただろうに

ムカついたので腕を掴めば叫ばれた



『いやあああああ離してええええ
わかりましたから!腕触らないでー!!!』



落ち着いてる風に見せかけて

本当にコイツ騒がしいよな

そこが面白いんだけど



「おっまえ、さっきから触るな近寄るなって
俺はバイキンじゃねーんだぞ!!」



スパンッと腕を叩き離して走る



『逃げるが勝ち!!!』

「さっき逃げんなって言ったばっかだろ!」

『あ、つい!ごめんなさーい!!!』



ごめんと言うわりには

ニコニコと笑って先を走る優ちゃん

それを緩み切った顔でため息交じりに全く…と呟き

追いかけるように走る

いつからだったかな

こんなに楽しい日々を送れてるのは



全力で走り捕まえようとしたが

優ちゃんも全力で走る

あいつマジで足早っとなっていれば

3年の学年主任に見つかってしまった

くどくどと説教を二人で受ける

ほぼ俺だけだったけど

大人しく説教を聞き

やっと解放され一緒に帰路につく

なんで俺だけ怒られたんだ…と思っていれば



『シュンとしてる先輩可愛かったですよ』

「あぁ!?可愛いはやめろ!!」



顔を覗き込んで言われ

可愛いという言葉は関係なく

顔の近さとか角度がとか

ふわっと香る匂いとか色々心臓に悪くて

顔に熱が集中したのがわかった

照れたのがバレない様に手の甲で隠す

どうかこの情けない顔がバレてませんように