「っし!帰るかー」



立ち上がり荷物を持ち直す

あ、そういえば荷物取りに行かなきゃだった



『あ、先どうぞ。本当にできればなるべく
先輩と二人でいるの勘違いして敵増やしたくないんで』

「あぁ?さっき普通にしろって言ったばっかだろ
いいから帰んぞー」

『いやあああああ離してええええ
わかりましたから!腕触らないでー!!!』

「おっまえ、さっきから触るな近寄るなって
俺はバイキンじゃねーんだぞ!!」

『逃げるが勝ち!!!』

「さっき逃げんなって言ったばっかだろ!」

『あ、つい!ごめんなさーい!!!』



思わず逃げてしまい止まろうとしたが

振り返ればもの凄い勢いで走ってくる先輩に

恐怖し更に全力ダッシュを決めてしまった


途中先生に見つかってしまい2人で怒られた



「秋月、女子を追いかけるなんて」

「だってこいつが逃げんだもーん」

「もんじゃない!受験生の自覚を持て」

「ういー」

「小鳥遊は大丈夫だったか?
なにか悩みがあったら相談しろよ?
でも廊下を走るのはだめだ」

『はい、すみませんでした…』

「あぁ!?先生態度が違い過ぎねぇか!?」

「コラ!先生には敬語を使えといつも言ってるだろう!」

「ッス…」



怒られてシュン…としてる先輩が可愛くて

不謹慎だけどちょっと楽しい思い出になっちゃった

これも青春ってやつなのかなぁー



『シュンとしてる先輩可愛かったですよ』

「あぁ!?可愛いはやめろ!!」



顔を逸らすがちょっとだけ赤くなってて

また可愛いって言っちゃいそうになったけど

怒られそうだからグッと飲み込んだ


先輩が意外と照れ屋で

顔が赤くなると手の甲で隠そうとする癖があるのは

私だけの秘密にしておこう