「おーい。優ちゃんいるー?」



それはお昼休みになった時間帯だった


隣ではニヤニヤしながら

先ほど特別だよ。と送ってあげた

私と秋月先輩のツーショットの写真を

トリミングしている澪ちゃん


突然廊下から悲鳴が聞こえ

次いでガラッっと教室の後ろの扉が

開いたのが聞こえた


みんなと同様

私もその音の鳴る方へ

顔を向けたのまでは良かった

秋月先輩が来たのが理解できたから


でも何か



『イマ、ワタシのナマエを
ヨバナカッタかな?????』

「現実逃避する気持ちはわかるけど、
あっちを見よ」

『…死亡フラグきたーーーーーーー』

「ほら、いけ。くたばれ」

『澪。お前は本当に私の友達なのか…?』



思い足取りで向かえば身長が高いからか

先輩は扉のフレームに頭がぶつかりそうだ



『な、なんでしょう…か?』

「…」



ジーッとこちらを見ている

え、本当になんなんだろうか



「フッ…いまもしかしてあれ?
感情抑えて真顔ってやつ?」



クスクスと笑っているけど

いや!?

いまそれどころじゃないんだけど!?

なんでわざわざ教室まで来て

名指しで呼ばれたのか

理解ができていないんですよ!?



『視線で殺されそうなんでご用件を簡潔に
教えてくださいませ…!!』

「暇だから構いに来てやっただけだけど」

『………ありがとうございます?』

「ま、とりあえず来いよ」

『え、ちょ、まっ』



首根っこをガシッと掴み

ズルズルと引きずられる


私のお昼ご飯ー!!!と

叫び声は廊下に響き渡ったが

虚しくも他の生徒達の話声でかき消された