部屋に着き扉を開けると、イクスがいた。


「ご主人様、遅かったですね」


「ごめんなさい。お父様に許可を得るのに、少し時間がかかって」


「もう約束はなかったことになったのかと思いました」


そんなに遅かったかしら……?


イクスの言葉にそう考えるけど、そこまで経ってるとは思えない。


でも、イクスにとっては長く感じたのかもしれないわね。


この部屋にいても、暇でしょうし。


「そんなわけないじゃない。約束は約束よ。ちゃんと守るわ」


なかったことになんて、するわけがない。


私はそこまで気分屋じゃないもの。


「嬉しいです。ご主人様と一緒にいられるので」


「私といることで嫌な思いをするきみしれないのだけれど、それでもいいの?」


「ご主人様といて、そんな思いはしません。そういうご主人様こそいいんですか?奴隷である俺といれば、ご主人様の評判を落とすことになると思いますけど……」