「……それはまさかあの奴隷と行くのか?」


お父様からのまさかの質問。


わざわざ聞かれるとは思ってなかったわ。


「そのつもりです。ですが、奴隷というのはやめてください。イクスは私の護衛となったのですから」


隠す必要もないので素直に頷いた後、イクスを奴隷と呼ぶお父様を軽く咎めた。


皆して奴隷と呼ぶ。


言わないのはクロヴィスだけね。


「それは分かった。だが……」


「公爵家に泥を塗るような真似はもうしませんから。そこはご安心ください」


次に言われる言葉を予測して遮った。


無礼だと思われても、聞きたくなかった。


どうせ、言うことは同じだ。