「それで,どうなんですか,僕は。ちゃんと今も朱鳥さんの目に映ってますか? いつフラれるか,僕は気が気じゃないのに」



私の注文が揃ったところで,血夜くんが言った。



「だってそれは……こんなに早く断ったら,なんか,違う気がするもん。ちゃんと,嫌って,こういうとこがタイプじゃないって…………ほんとにはっきり言うからね,分かってる? 笑わないで」



どうして笑うの,と尋ねれば。



「いや,だって,朱鳥さん。好き嫌いじゃなくてタイプで答えようとしてくれるの,優しすぎて。しかも……僕は今のところ,外れてないんですか?」

「っ~! もう,調子乗らないで!!」



真面目に考えてる方が,ばかみたいでしょ?!

もう約束なんて知らない!

と顔を背けた。

バチっと,男の子と目が合わさる。

驚いて,息を止めた私は瞬いた。

同じく驚いた顔の男の子が,既に傾いて……