数秒間があいて,血夜くんが考えるような動作を取る。

沈黙が流れて,流れて。



「もしかして,僕……ですか?」



あざとくもたらされる仕草。

熱くなる身体が答えだった。  

悔しいから,また黙る。

無意味にも,意地で黙った。

皆に好かれているのが,常に当たり前のヴァンパイア。

私なんて,そんな中の1つでしかなくて。

血夜くんの周りにはいつも,女子のヴァンパイアが友達として沢山いた。

そうしてもやもやしたのは,1度や2度じゃない。

全部勝手に察してしまわないでよ。

すっかり理解してしまった様子の血夜くんに,私は唇を結んで見返す。



「いつからですか,朱鳥さん。いつから僕のこと,そんなに好きだったんですか」