良かったじゃない,ちっとも良くない。
逢いたかったって何なの?
私は血夜くんを探して出てきたわけじゃ,ない。
「こんばんわ,朱鳥さん」
「……こんばんわ」
たった,3日。
それも,3日目なわけだから,まだ2日しか経ってないのに。
血夜くんのことしか考えてなかったなんて,知られたくない。
血夜くんがあんまり私を見るから,私は仕方なく口を開く。
「お母さんに,馬鹿みたいな態度とっちゃって。お母さんは怒ってないんだけど,それでも落ち着かなくて」
私は異性関係を聞かれて大きな声を出した申し訳なさを,お母さんの代わりに血夜くんに白状した。
血夜くんは,反応に困った顔をする。
その中に,少なからず喜色が浮かんでいて。
今度は私が血夜くんを見る番だった。