私はパジャマに着替えて,地下にある自分の部屋を出ると,最上階まで登った。
夜にしかいけない場所。
庭に出て,こっそり家を抜け出す。
べっとりと暗い空,星が弱く輝いていた。
ばさ,ばさ。
ゆっくりと羽ばたいて,上昇しながら前に進む。
行き先なんて決まってなかったけど,時折人間や高さの低いヴァンパイアの家の屋根を足場にしながら,あちこち飛んだ。
スピードをあげると,風が涼しくて。
弱めると,少し寂しい。
街の方に行くと,ヴァンパイアが沢山いて。
それは嫌だと方向を返す。
よりくらい方を目指すと,人間ばかりの住宅地に自然と行き着いた。
遊具1つない広場があって,私はそこに降りる。
私,反省しなきゃいけないことばかり。