まぐろを口に含んで,純粋な瞳にきょとんとされる。

私はびくりとお尻に伸びていた手を回収した。




『そう言えば交換してませんでしたよね。……だめですか?』



そうわざとらしくきゅるんとしてやって来るから,交換したのに。

3日経っても連絡なんかしてこない。



「痛ッ」



血夜くんのせいなんだからね。



「どっどうしたの?!」

「……箸噛んじゃっただけ」



ガリッとして,私は口に手を当てた。

折れなかっただけましと落ち着ける。



「ねぇねぇ朱鳥ちゃん,彼氏出来たりした~? もし出来たら,ままにも紹介してね~」

「出来てないよ,寮も男女別だし,うちはカップルだってそんなにいない」

「でも朱鳥ちゃんだってモテるでしょ? 告白されたりしないの~?」