逃げないようにしてるところなのに。
逃げるって何から。
そう言いたいのに,潤したばかりのはずの喉が渇く。
「でも,背中まで向けられたのって……この前だけじゃないんですよ」
血夜くんの言葉に,断って。
背を向ける。
「もしかして,あの時も……今みたいな顔で,恥ずかしがってくれていたんですか?」
訳も分からない襲撃を受けて,頷けるほど単純じゃなかった。
だけどたまに見かけた顔に正面から覗かれて,いつまでも向き合っていられるほど。
私は大人でもなかった。
だから誰にも顔を見られないように,自然にそっと,背を向けて歩いたんだった。
「そんなの……半年も前のこと,憶えてないよ」
「否定はしないんですね,朱鳥さん」
調子が狂う。
血夜くんの言葉と向き合って,血夜くんのことを考えるって。
どうしたら,出来たことになるんだろう。
逃げるって何から。
そう言いたいのに,潤したばかりのはずの喉が渇く。
「でも,背中まで向けられたのって……この前だけじゃないんですよ」
血夜くんの言葉に,断って。
背を向ける。
「もしかして,あの時も……今みたいな顔で,恥ずかしがってくれていたんですか?」
訳も分からない襲撃を受けて,頷けるほど単純じゃなかった。
だけどたまに見かけた顔に正面から覗かれて,いつまでも向き合っていられるほど。
私は大人でもなかった。
だから誰にも顔を見られないように,自然にそっと,背を向けて歩いたんだった。
「そんなの……半年も前のこと,憶えてないよ」
「否定はしないんですね,朱鳥さん」
調子が狂う。
血夜くんの言葉と向き合って,血夜くんのことを考えるって。
どうしたら,出来たことになるんだろう。