「私の弟、今年受験で薬剤師になりたいみたいで冥王高校目指してるんですけど、模試の結果悪くて、なんかいい勉強方法とかないですか?」
あれから光さらに力入れて勉強してるみたいだし。何かためになる情報が手に入ればなぁ…
「え、俺冥王高校出身だよ?」
「そうなんですか?」
…初耳だった。
「しかも俺今、薬学部だよ。」
「え…」
言ってなかったっけ?って。
まさかこんな絵に描いたように光の望む進路を進んでる人が、こんな近くにいたなんて…
「あのさ、もしよければ弟さんの家庭教師しようか?」
「え、いや…」
願ってもない提案。
本当ならすぐにお願いしたいけど、出来れば他人を家に呼びたくない。
理由はひとつ、
隣の表札を見れば『星野』って書いてるし、勘付かれてもおかしくないしから。
それで星野彗の家がバレても困る。