ふわっと香ってくるお酒の匂い。
「っ、」
ちっ、近い…
彗以外の男の人と近付くことなんてない私は、思わず俯いてしまう。
…しかも、大人気アイドルのイケメンなんだから。普通でいれる人なんていない。
すると、
「触んな」
って掠れた低い声が聞こえて、恒さんの腕を持って私の肩からよける彗。
一瞬目があったけど、目を細めてすぐ逸らされた。
「なんだよ、ヤキモチ妬くなよー!」
って、へらへら笑う恒さん。
「んなわけ、ねぇだろ」
ドスの効いた声で一蹴する、彗。
だよね。そんなわけないんですよ、恒さん。
「あ、海ちゃん、何飲みたい?」
空気を変えようと流さんが、アシストしてくれる。
「ジュースもいっぱいあるよ!僕未成年だから!」
そっか、宙さんは未成年だからジュースなんだ。
その割にはすごいテンション高いけど…