「今日はねぇ、彗の引越し祝いしに来たんだー!」
にこにこーって周りに花が咲くような笑顔の宙さん。
「もう三ヶ月以上経ってんだけど」
「しゃーないやん。今日やっとスケジュール合ったんやから」
「俺ら忙しいからね」
おかげさまで、って目尻に皺を作り、歯を全部見せて笑う恒さん。
「まあ無事ツアーも終わったし?」
流さんがビールを掲げる。
「あ、おつまみもうなくない?」
銀さんの声に、
「俺買って来るよ」
って気配り上手な流さんが素早く立ち上がる。
テーブルの上には飲み干されたお酒たちと、散らかってるおつまみの残骸。
男の人たちの飲み会って感じだなぁ。
この人たちも普通の大学生みたいな感じなんだってちょっと安心した。
「…あの、私でよかったらおつまみ作りましょうか?」
このキラキラの輪に入るくらいなら、キッチンに立ってる方がマシかも。
それにお酒はまだいっぱいあるみたいだし。