結局お言葉に甘えて、スタジオに連れて行ってもらい、彗の楽屋で終わるのを待つことに。



テレビ局なんて初めて…おっきいんだなぁ。



夜川さんに案内されて、彗の楽屋で1人待つ。



すごい、よくテレビで見るような場所だ。


なんか落ち着かなくて、緊張したままずっとソファに座って正しい姿勢で待ってると、


「海」


ドラマ撮影を終えた彗が駆け足で楽屋へ戻って来た。


芸能界、にいる彗はより一層輝いて見える。


いつも必死に隠してるオーラを解き放って、自然に存在してる感じ。


私たちと同じ世界にいる方が逆に違和感がある。



「…彗、なんかごめんね」



夜川さんから聞いてると思うけど、ややこしいことになっちゃって。



「いや、俺こそごめん。突然急ぎの用頼んだから。」



「急いで帰りましょうか。」



夜川さんが急いで荷物をまとめてくれて、早々にスタジオを後にした。


時間はすでに、夜中の1時前。



夜川さんの運転する車に乗り込む。



乗り込んだ途端、疲れていた彗はぐっすり眠ってしまっていて…