「お疲れ様でした〜」


22時、バイトも終わって、帰ろうとした時、


「え、あるじゃん…」


カバンを覗くと彗がほしいと言っていたレジュメが入っていた。


家にあると思ってたら持ってたみたい。


あの時気づいたら、すぐ渡してあげれたのにと後悔する。


明日行くのもめんどくさいし、今持ってるんだったら、このまま彗の家に行って置いてこよう。


…最近忙しそうだし、大好物のシチュー作ってやるか。



あんな顔でおねだりされたら作っちゃうよね。



惚れたもん負けだよね。



24時間営業のスーパーで具材とおそらく彗の家にはないであろう調味料を買って、自転車を15分ほど漕ぐと彗の家についた。


ここらへんでは1番大きい綺麗なマンションの10階


「お邪魔します…」



緊張しながら、玄関とドアをあけて中に入る。



彗の部屋にこうしてくるのは初めて。


引っ越したてっていうのもあるかもしれないけど、生活感のない、広い部屋。