ああ、なんで、私は諦めて幼馴染でいるって決めたのに、
この期に及んでまだこんなに苦しくなっちゃうんだろう。
「あー、星野くんとルナちゃん気になる感じー?」
宙さんと並んで話す間に入ってきたのは、若手俳優で同じバスケ部の役をした俳優さん。
だいぶ飲んでいるのか、お酒くさい。
「あの2人お似合いだよねー、撮影中もよく話してたし」
そう、なんだ…
「まあ見てる限り、ルナちゃんの方に好意がある感じだけどな」
星野くんはなんも気づいてなさそ、って笑う。
ああ、そうだよね、誰がどう見てもお似合いだよね。
「そうですか、…」
分かってるんだよ、そんなこと。
幼馴染でいるって決めたのに、また欲張りになって、落ち込んでの繰り返し。
やきもちなんて、焼けるような土俵にすら立ててないくせに。