尋ねる塩見君に、石黒さんが良いことを閃いた、とパンッと手を叩いた。

「花火大会へは行けなくても、手持ち花火を広めのガレージだったりすると、扉開けてちょっとできそうじゃん」

「もう九月だけど、まだ花火売ってるかな? てか、誰か家にガレージある人いる?」

 考える二人に、私は恐る恐る手を上げて言ってみる。

「ガレージは、うちある」

「おっ、ホントー? じゃあ、恵口さんの家で四人で花火しよう」

 出会ったばかりなのに予定を立てる石黒さんと塩見君に、嶋原君は少々困惑しているようだが、歩み寄ってくれる二人に何も言い返さない。

「嶋原、土曜の夜、いいよね?」

「俺は大丈夫だけど」

「じゃあ、決定だね。楽しみだなぁ」

 ニコニコ笑顔の塩見君と目が合い、笑いかけられ、私も笑みを返す。

 でも、以前嶋原君に、私の笑顔はぎこちない、と指摘されてしまった。

 引きつっているのかな、それってすごく嫌だ……。