両親の死を受け入れられないまま、見知らぬ子供達と過ごす新たな生活は、それはそれは小さい私にとって、耐えられるものではなかった。

 二人は私に何も言葉を残さずに、この世を去ってしまい、私は一人ぼっち。

 人形の腕が取れたなんて、言わなきゃよかった。

 言わなきゃ、あんな事故になることはなかったのに……。

 園の皆や先生は優しくても、私はずっと一人ぼっちで、よく夜布団で泣いたものだ。

 ──もう、二度と大事な人を失いたくない。

 事故の記憶なんて、消えてしまえばいいのに。思い出したくない。

 あの頃に戻りたい。全てリセットして、やり直したい……。

 人と関わるのが怖くて、私はいつも取り繕った笑顔を見せるばかり。

 やがてそれが癖になって、園の皆にも、結局心を許せる友達はいなかった。