やがて歩いて行くと、大パノラマ水槽が現れ、既に塩見と石黒は巨大な水槽を見上げていた。
「おー、きたきた。こっち来いよ。凄いって」
塩見に手招きされ、四人並んで大きな水槽を見る。
イワシの大群が行ったり来たり、巨大なエイが優雅にユラユラ、隠れクマノミのような可愛らしい色鮮やかな魚も水槽を泳いでいる。
「すげー……」
誰でもないこの四人で、今俺は、友達と一緒に水族館に来ている。
例え記憶がなくても、声をかけてくれる人がいて、こうやって生きているのだ。
この一瞬を、大事にしたいと心の中で強く思った。
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