「あらら」

 消える瞬間を見られるのは、羞恥に値することで、その光景を転校生の恵口に見られてしまったのは、後悔していた。

「良かった、また空也は友達がいる生活を送ったんだね」

「っぽいね、声をかけてくれたクラスメイトがいたから」

 しかし、次に再びあちらの世界へ行った時は、全てがリセットされている状況、俺はまた、友達を持つことはできるのだろうか。

 塩見や石黒は、俺に声をかけてくれるのだろうか。

 八階から見る景色は、遠くまで見渡せるのに、見えるのは瓦礫の山だけ。

 薄暗い室内、俺は慎吾の言葉に頷きながら、内心これから先のことに不安を巡らせていた。