──しかし、次の対戦クラスは難敵だった。
飛んでくるボールの勢いが今までと違い、私は一生懸命コートの中を走り回る。
クラスメイト達はどんどん当てられ、コート内の人数は減っていくばかり。
ボンッと塩見君がボールを受け取ると、相手チームに向かってボールを投げるものの、いとも簡単に取られてしまったではないか。
そして、ガタイがいい男子生徒と目が合うと、彼は勢いを付けて、私を目がけてボールを放ち……。
──当たるっ。
怖くてギュッと目を瞑るが……中々痛みを感じることなくそっと目を開けると、私の前に大きな嶋原君が庇うように立っていて、ボールを受け取っていた。
そして、嶋原君がボールを投げ返すと、大柄の男子生徒に見事にヒット、私は難を逃れた。
「嶋原君、ありがとう」
庇ってくれた背中に言うと、嶋原君は半分だけ振り返って、コクリと頷いた。
「俺の後ろにいていいから」