希花とは、まだ正式に付き合うことになったわけではないが、相手の気持ちも分かったし、近々ちゃんとこちらから告白をできたらと思っている。

 ずっと待っていてくれた希花、自分を好きだと言ってくれた希花。

 遅くなってしまったが、俺もこれから希花のことを、知って好きになっていきたい。

「お疲れ様でした」

 午後五時にバイトを終え外に出る頃、雨はもう止んで有り、俺は夕空を見上げる。

 綺麗な夕日が、今日も街を照らしている。

 そして、携帯をタップすると、希花に電話を掛けた。

「あ、もしもし、希花」

 あちらから届いた声に、俺はニッと笑って、今日も雨の降らない空の下を歩いてゆく。