~嶋原空也~

 遊園地から帰って来ると、希花は数日してまたすぐに都市へと帰って行った。

 洋菓子店でアルバイトをしているらしく、話によると、シフトが沢山入っているらしい。

 都市の四年大に通う希花に対し、俺は通信教育で、高校卒業の単位取得を目指しながら、近くのカフェでバイトをしている。

 周りからすると、大きな後れをとっているのだろうが、俺は至って前向きだった。

 それくらい、この青空の広がる世界に生きることが、嬉しくてたまらないのだ。

 久しぶりに、今日は朝から雨が降っていた。

「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

 今日は一日シフトが入っており、俺はお客を案内すると、すぐにメニュー表を持ってくる。

 おススメの木苺のパンケーキを進めると、レジ前に立つ。