嶋原君はじっと私を見ると、目頭に溜めた、零れ落ちそうな涙を両手で拭う。

「何で泣いてんの」

「だって……」

 だって私、ずっと、嶋原君のこと──

「……私は、ずっと前から、嶋原君のことが好きだった」

「……恵口」

「嶋原君が帰って来てくれるの……待ってたよ。……嶋原君のことが、好き……大好き」

 私は泣きながら嶋原君に笑って、オレンジ色の真っ赤な夕日が、私達を照らした。

 まさか嶋原君からこんなことを言われるとは思っておらず、ポタポタ涙を流しながら、幸せな気持ちで満たされる。