「嶋原君が、帰ってくる……」

「そうだよ、恵口さん、電話くれてありがとうね」

「いえ、お正月に研究所に行ったんですけれど、その時は開いてなくて……」

「今は病院にいることが多くて、いなかったのかも。悪かったね」

 電話を切ると、私は再びA街の天気予報を調べるものの、ずっと晴れマーク。

 まだ、いつ帰って来るのかは分からないし、もう一生帰ってこないかもしれない。

 でも、一筋の光を見たようで、私はじんわり熱くなる胸に手を当て、大きく深呼吸をした。

 どうしよう、数年ぶりに、希望が見えてきた……。