「そうだね、いきなり降り出して、すぐに止みそう」

「……嶋原君、会いたかったよ」

 そう言うと、私は嶋原君の手を両手でギュッと握る。

「電話くれた恵口だよね? 俺のこと、待っていてくれて、ありがとう」

 嬉しかった、と言って笑顔を見せる嶋原君に、私はブンブン首を振る。

「もう……会えないかと思った」

「俺も、帰って来れないかと思った」

 一日でも、一時間でも、一瞬でも、会えたら……とずっと願っていた。

「私、恵口希花。嶋原君と友達だよ」

「はじめまして、じゃないんだよな」