「今日、会いたい……」

「え?」

「帰って来たばかりなのに本当にごめん。でも……少しでもいいから、嶋原君に会いたい」

 早口に伝えると、電話を切って教室に入る。

 嶋原君が、一時的でもこの世界に帰って来ている。

 私はそわそわして授業を終えると、嶋原君から連絡が来ていた。

 いつ消えるか分からないが、それでも良ければ、との返事で、私は午後七時までの夕補習を終えると、走って学校を後にした。

 元々予報は晴れで、傘は持っておらず、雨に濡れながら約束の公園へと急ぐ。

 そわそわした気持ちのまま、濡れるのなんて気にせず走って向かうと、既に嶋原君は公園に来ていた。