放課後、塩見と石黒が部活に行くと、今日日直だった俺と恵口は、学級日誌を書く。

 クラスメイト達はポツリポツリ姿を消し、教室には二人。

 恵口は各授業のコメントを書いていき、俺は石黒の席に座ると、濡れた窓外を見ていた。

 暗い空からは、パラパラ雨が降っている。

「恵口は塩見のこと、どう思ってんの」

 尋ねると、恵口と目が合い、ソロッと逸らされた。

「友達だよ」

「少しも気になってない?」

「塩見君は、友達だから」

 それ以上恵口は目を合わせずに、日誌を書くばかり。

「また来週の半ばから、天気回復するんだって」