そんな中、二人で歩いてると、横から石黒と恵口が顔を出し、四人並んで教室に向かう。
「恵口さん、俺のカッコ良い所、見てた?」
「あ……うん、見てた」
「これでもバスケ部の副キャプだからね。結構モテるんだよ?」
「塩見、自慢はいいから」
塩見は恵口のことが好きらしい。
石黒も分かっているようで、塩見の堂々とした態度は、サッパリしていて男らしい。
──恵口は塩見のこと、どう思っているんだろ。
恵口とは昨日、放課後二人でプラネタリウムを見に行って、ちょっと塩見に悪いことをしてしまったな、と思っていた。
しかし、同じ中学だったらしいあのカップルから、とやかく口出されていた所、恵口は俺のために一生懸命反論してくれて、それが俺はとても嬉しかったのだ。