「あ、いたっ」
高校2年生、親の都合で転校することになった遥。転校初日の登校中、道の角で誰かとぶつかった。床に手を着いた瞬間、目が合った。
そこには、ぱっちりと絵を描いたような目、スっと通った鼻筋、同じ人間とは思えないような見た目。そして、見覚えのある制服。
「ごめんなさい」
と放ち、その場から去る彼女。
その時、私は「恋」に落ちていた。

「ガラガラ」先生がドアを開き、学校が始まる。ここまではよくある日常だ。
「今日は、このクラスに転校生が来ている。」
その一言でザワつくクラス。これはあるにはあるが頻繁には起こらないことだ。
「入ってくれ」
その一言で私は、先生が空けたドアから教室に入る。クラスは一段とザワザワしていた。
「自己紹介をしてくれ」
「蒼井遥です。よろしくお願いします。」
とクラスを見ると、朝の彼女がニコニコと楽しそうに話しながら私の方を見てた。
「蒼井は、栗原の左に座れ」
私は、彼女が気になりながら、先生の言う場所に座った。その席は、彼女の隣だった。
「蒼井遥ちゃんだよね。私、栗原悠里。よろしくね!」
「よろしくお願いします。」
キラキラとした笑顔で私を見る彼女。「朝のことは覚えてないか」と思ってた時、
「朝はごめんね!私、が悪かったのに。」
と朝のことを覚えており、謝ってくれた。それから悠里は朝のことについてたくさん話してくれた。私はそんな悠里を見て、「好き」という感情が大きくなっていった。