レオはなにが起きたのかわかっていないようで、固まってしまった。
「私のために怒ってくれて、嬉しい。でも、私のためにレオが大切な存在を傷付けるのは、嫌」
「……わかった」
普段のレオからは想像できないほどに子供のようで、愛しく思う。
「シン。姫の優しさに感謝しろよ」
どうやら声を出す気力はないようで、シンは床に仰向けになったまま手を挙げ、軽く手首を動かす。
「エミリもだからな」
「わかってるわ。でもレオ、ほかの吸血鬼に狙わせたくないなら、契約すればいいじゃない。そうすれば誰も姫を狙えないし、レオは姫の血しか吸えない」
レオは名案だと思ったようで、輝かせた目で私を見る。
「……私は、イヤ」
「どうして? 私が言うのもおかしな話だけど、こんな危険な目に遭うことも減るのよ?」
メリットが魅力的で、契約してしまいたい気持ちが顔を出す。
「でも、レオは私の血しか吸えないんでしょ? 私が死んだらどうなるの?」
「そこは安心していいわ。だって、姫に出会うまで」
エミリがそこまで言って、レオはエミリの口を塞いだ。
そうか。
私に出会うまで、レオはいろんな人の血を吸って生きてきたのか。
私以外の血を吸っていたのは嫌だと思ったけど、そうしなかったらきっと、レオはいない。
「私のために怒ってくれて、嬉しい。でも、私のためにレオが大切な存在を傷付けるのは、嫌」
「……わかった」
普段のレオからは想像できないほどに子供のようで、愛しく思う。
「シン。姫の優しさに感謝しろよ」
どうやら声を出す気力はないようで、シンは床に仰向けになったまま手を挙げ、軽く手首を動かす。
「エミリもだからな」
「わかってるわ。でもレオ、ほかの吸血鬼に狙わせたくないなら、契約すればいいじゃない。そうすれば誰も姫を狙えないし、レオは姫の血しか吸えない」
レオは名案だと思ったようで、輝かせた目で私を見る。
「……私は、イヤ」
「どうして? 私が言うのもおかしな話だけど、こんな危険な目に遭うことも減るのよ?」
メリットが魅力的で、契約してしまいたい気持ちが顔を出す。
「でも、レオは私の血しか吸えないんでしょ? 私が死んだらどうなるの?」
「そこは安心していいわ。だって、姫に出会うまで」
エミリがそこまで言って、レオはエミリの口を塞いだ。
そうか。
私に出会うまで、レオはいろんな人の血を吸って生きてきたのか。
私以外の血を吸っていたのは嫌だと思ったけど、そうしなかったらきっと、レオはいない。