「レオ君の餌、みっけ」
私が、男が侵入してきたと判断するよりも先に、そんな発言が聞こえた。
レオの知り合いらしい。
だけど、雰囲気的にレオに会いに来たわけではなさそうだ。
『千紗の血を狙うアホども』
この男もそうなのか。
私はレオに助けを求めようとしたけど、奴に気絶させられ、それはできなかった。
◇
家中に響いた音に驚き、俺は真っ先に姫の部屋に行く。
朝日が昇っている中、活動するとは思えない存在が、そこにいる。
「やあ、レオ君。元気だったかい?」
昔馴染みと、昔馴染みに抱えられる姫。
気絶させられ、姫は奴の首元に顔を預けている。
なんだ、この面白くねえ状況は。
「まさかお前が一番に姫を狙いにくるとはな……シン」
シンは驚きをあらわにする。
「ウソでしょ、レオ君。この雌、餌じゃないの?」
「あ? ふざけんな、そんなわけねえだろ。姫を返せ」
本当ならシンを殴ってでも姫を取り返したいところだが、これ以上姫の家を壊すわけにはいかない。
俺はただ、シンを睨むことしかできない。
「そっかあ。レオ君、ついに姫、見つけちゃったかあ。これはエミリちゃんが荒れちゃうね」
シンは悪巧みを思いついたように笑う。
「僕たちは先に行ってるよ、レオ君」
そしてシンは入ってきたであろう窓から、姫を連れて出ていってしまった。
私が、男が侵入してきたと判断するよりも先に、そんな発言が聞こえた。
レオの知り合いらしい。
だけど、雰囲気的にレオに会いに来たわけではなさそうだ。
『千紗の血を狙うアホども』
この男もそうなのか。
私はレオに助けを求めようとしたけど、奴に気絶させられ、それはできなかった。
◇
家中に響いた音に驚き、俺は真っ先に姫の部屋に行く。
朝日が昇っている中、活動するとは思えない存在が、そこにいる。
「やあ、レオ君。元気だったかい?」
昔馴染みと、昔馴染みに抱えられる姫。
気絶させられ、姫は奴の首元に顔を預けている。
なんだ、この面白くねえ状況は。
「まさかお前が一番に姫を狙いにくるとはな……シン」
シンは驚きをあらわにする。
「ウソでしょ、レオ君。この雌、餌じゃないの?」
「あ? ふざけんな、そんなわけねえだろ。姫を返せ」
本当ならシンを殴ってでも姫を取り返したいところだが、これ以上姫の家を壊すわけにはいかない。
俺はただ、シンを睨むことしかできない。
「そっかあ。レオ君、ついに姫、見つけちゃったかあ。これはエミリちゃんが荒れちゃうね」
シンは悪巧みを思いついたように笑う。
「僕たちは先に行ってるよ、レオ君」
そしてシンは入ってきたであろう窓から、姫を連れて出ていってしまった。