「夏菜子？　最近元気がないみたいだけど大丈夫？」


　日曜日のお昼ご飯。


　母親の作ってくれた卵がたっぷり入った鶏がらスープ入りのチャーハンを少しずつ口に運んでいたところ、心配したのだろう、母が気にかけてくれた。


　スプーンでチャーハンをすくいながら、言葉を選んで返事をする。

「うん……ちょっとだけ落ち込んでるかな……」


　向かいの席に座って一緒にチャーハンを食べている母親。


　スプーンを置いてしっかりと夏菜子の顔を見ながら声を掛けてきてくれる。


「最近成績も上がってきているみたいだし、勉強の事じゃなさそうだけど、何かあった？　お母さんにくらいは相談してくれてもいいんじゃない？」


　心底心配している表情だ。だがそれも無理はないだろう。


　ここ数日、お弁当は残してしまっているし、休日の昼や夜の食事の量も減ってきている。






　でも、恋人がヴァンパイアで困ってます。





　なんて簡単に相談できないよ……。