ーー今思えば、あの時の俺はすごく子供だった。
拗ねて、相手を傷つけて。一番やってはいけないことをしてしまった。
だけど今、羽衣が隣にいてくれるのは彼女がぶつかってきてくれたから。
あのままだったら告白もできずに、幼なじみにも戻れなかったかもしれない。
今隣に並んで、手を繋ぎながら花火を見れることが本当に奇跡だと思う。
ーー今度は絶対に、包み隠さず思いを伝えるよ。
「……ありがとう、羽衣」
「え?なにが?」
「…んーん、なんでもない。分からなくていいよ」
ーーいくらでも好きって伝えよう。
幼なじみ、いや、
ーー愛しい彼女へ。
よくわからない、と首を傾げる彼女の額に唇をひとつ落とした。