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「綺麗だね~、涼」
「うん」
色とりどりの星のような花火を見ながら、鮮明に思い出すことのできる記憶に思いを巡らせた。
『どこにいても、絶対羽衣のこと見つけるから』
あの時の俺が隣にいる彼女にとって、今見ている花火のようだったらいいなと思いながら。
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『すずー!』
最初は家が隣で親が仲がいいというだけで。
だけど、いつの間にかずっと一緒にいた。いたいと思うようになった。
そんなある日、夏祭りに行くことになって。
今日みたいに人混みが激しかったから、俺たちははぐれてしまった。
『……っ』
あんな絶望した気持ちは、もう一生知りたくないと思うほど。
羽衣を見つけてからやっと息ができるようになるような感覚だったから。
そこで俺は、羽衣のことが好きなんだと自覚することになった。